コックコートは機能性に優れた制服なのです
こんにちは。佐藤です。
突然ですが、あなたはコックコートを着たことがありますか?
私は、20代前半の頃にイタリアンレストランの厨房でバイトをしていた時にコックコートを着ていました。
当時は「ダサい」「デザインが硬い」「重たい」と文句ばかり言っていました。
もっとオシャレな制服が良かったなんて思ったりもしました。
アパレルバンクでコックコートを扱うようになって、コックコートの事を調べるとすごいことに気付きました。
それはコックコートの構造や機能性です。
今回はコックコートの基本から豆知識まで詳しく紹介したいと思います。
コックコートの特徴
最近では、いろいろな素材のコックコートがありますが、綿100%が基本です。
コックコートはその名のとおり料理人が着るための服で、厨房で火が燃え移らないように燃えにくい素材が採用されています。
また、綿は吸水性にも優れているので暑い厨房で汗をかいても吸水してくれます。
コックコートは白が基本
コックコートのカラーは圧倒的に白色が多いです。
様々な色や柄がのコックコートがありますが、今でも白色のコックコートの人気は根強いです。
昔からの歴史もありますが、【コックコート=白】のイメージが覆る事はありません。
白色のコックコートがなぜそこまで多いのか、その理由をお分かりですか?
白色のコックコートが多いの理由
『白衣の天使』と言われるように、白衣と言えば医療関係の白色の衣服がもっともポピュラーでした。
その他に、洋食店や和食店でも白のコックコートやはんてんなども白衣と呼ばれていました。
もともと白衣は、衛生環境を守るために衣服の汚れが目立ちやすいように、あえて白色のものを着ていました。
黒色やカラフルなコックコートだと、オシャレで汚れが目立ちにくい事が利点でもありますが、実は弱点でもあります。
汚れが目立たないので、汚れが目立ってから着替えれば大丈夫と思ってしまいがちです。
そうなると、様々な雑菌が服に付着して衛生的に問題が生じます。
衛生的に汚いコックコートを着て料理を出されるのは嫌ですよね?
しかし白色のコックコートだと、汚れが目立つのですぐに気付く事ができます。
少しでも汚れたら着替えようと意識が芽生えるので、衛生管理にも優れています。
飲食店では、清潔感がとても重要になります。
清潔感を保つためにも白色のコックコートを着るようにしましょう。
コックコートのボタン
コックコートで特徴的なのが、あの紐を丸めたような布製ボタンですよね。
デザインをよくするためについている飾りのようにも思えますが、あのボタンにもちゃんとした理由があります。
着脱が簡単
万が一火が燃え移ったり、熱湯がかかったりしても、強く引っ張ると球体のボタンがボタン穴からスルッと外れて一気に脱げるようになっています。
実際、私も鍋でグツグツ沸かした高温の熱湯を大量に浴びたことがあります。
その時、簡単にボタンを外すことができました。
異物混入の防止
飲食店で料理に異物が混入すると大問題です。
最悪の場合、閉店に追い込まれることもあります。
布製のボタンは生地に頑丈に縫い付けてあるので非常にほつれにくい構造になっています。
また、ボタンの大きさを敢えて大きくする事で、万が一混入してもお客様に提供しないようにするなど布製のボタンには大事態を防ぐ役割があります。
コックコートは2枚重ねの前身頃が基本
コックコートを着る機会がない人は意外と知らない事ですが、コックコートの前身頃は二重になっています。
この2枚重ねの前身頃にも理由が2つあります。
高温の火やお湯から身を守るため
厨房では、家庭では使わないような大きな鍋を使います。
大きな鍋はとても重たくて、熱い料理が入っている運ぶのがさらに大変です。
運ぶ時はお腹や胸で支えて、基本的に一人で運びます。
そんな時に、熱さを和らげるために2枚重ねの前身頃になっているのです。
前身頃を入れ替えて清潔感をキープ
2枚重ねの前身頃には、布製のボタンが左右に1列ずつに付いています。
その理由は、コックコートが汚れた時に前身頃を入れ替えて綺麗な方を前にする為です。
汚れたまま、ホールに行くと不潔な印象を与えてしまいます。
毎回ホールに出るたびに着替えるのも面倒です。
そんな時に前身頃を入れ替えると簡単にき綺麗な見た目になります。
コックコートの豆知識
私が、厨房で働いてた時に経験した事を踏まえて、コックコートの豆知識を紹介します!
コックコートの袖
1つ目はコックコートの袖です。
コックコートの袖は幅広で長めに作られいます。
実はコックコートの袖は鍋つかみにもなります。
厨房はとても忙しいです。
まさに【厨房は戦場】です。
鍋つかみを1人1つ持つことなんてありません。
料理は時間との戦いですので、わざわざ鍋掴みを用意してつけるなんて面倒な事をしません。
熱いものでもすぐに運べるようにコックコート自体に鍋掴みの機能が取り入れられています。
コックコートだけでは熱さに耐えれない場合、腰に巻いた長めのタオルを重ねると熱さを和らげることができますよ!
コックコートの下はTシャツで十分!
よくコックコートの下には何を着ればいいか分からないと質問をされます。
私の経験上、夏でも冬でもTシャツ1枚で大丈夫と答えています。
なぜなら、火を扱う現場なので基本的に暑いです。
冬は暖かいくらいなので、中に着込む必要もないでしょう。
コックコートの洗濯方法
汚れたコックコートは普通に選択してもなかなか汚れが落ちません。
色んなソースが付着して、油でギトギトなんて日常茶飯事です。
私が、働いていたレストランではとても面白い方法で洗濯していました。
片付けがが終わった後に、大きい寸胴にその日着たコックコートを入れます。
そして水と洗濯洗剤を入れてコンロでグツグツに煮ます。
この方法だと頑固な汚れも綺麗にますよ!
中々の荒療治ですが、効果は抜群でした。笑
コックコートの構造や機能性の理由を知ると、なるほどって思いませんか?
何事も先入観だけで、判断してはいけませんね。。
文句を言っていた昔の自分にコックコートの素晴らしさを説明してやりたいです。笑
長く愛用されているものには必ず人気な理由が存在します。
オシャレなコックコートも良いですが、まずは、お客様の事を考えて制服を選びましょう!